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お役立ちコラム
ピラティスは第一次世界大戦のおりに、負傷者のリハビリのために広がったエクササイズです。近年、国内でも注目されているエクササイズですが、しっかりとした燃焼効果がありダイエットや姿勢改善にも効果的です。ここでは、ピラティスによって得られる代表的な効果を4つ紹介します。
ピラティスのエクササイズは、インナーマッスル(深層筋)を効果的に鍛えます。身体をバランスよく整えることで、猫背の改善、骨盤の歪みなどを矯正します。
特におなか周りの筋肉である腹斜筋や腹直筋、背中の脊柱起立筋や背骨の間にある棘筋などの筋力が高まることで、背骨を補助する力が強化され、正しく美しい姿勢を維持し、綺麗なスタイルを作る効果があります。
ピラティスのエクササイズは体の動きと呼吸を連動させるため、血液やリンパの流れを促進し、むくみの解消にも効果を発揮します。
さらに腰や背中の筋肉を無理なく強化できるため、腰痛の緩和や予防にも効果があります。身体全体のバランスが整うことで、身体のさまざまな不調を改善し、健康な体質を取り戻したり維持したりすることが期待できます。
ピラティスは緩やかに身体を動かしますが、集中的にスローダウンさせて行うことでじんわりと汗をかきます。
全身を呼吸と合わせて動かすことで代謝を促進し、効率的にカロリー消費を行います。ダイエット効果を目的に始める人も多く、ピラティスを通して理想の身体を実現できます。
またピラティスによって全身の筋肉がバランスよく鍛えられることで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果が高まります。そのため体脂肪の減少やシェイプアップはもちろん、太りにくい身体を手に入れることも可能です。さらに関節や筋肉への負担が大きくないため、初めての人でも比較的簡単に始められ、怪我をしにくいというメリットもあります。
ピラティスのエクササイズは、呼吸と動きを組み合わせることで深いリラックス効果が得られます。胸式呼吸を中心として深い呼吸法を意識することで、自律神経のバランスが整い、ストレスや緊張が解消されます。心身のリラックス効果が得られるエクササイズですから、精神的な安定感や睡眠の質の向上のために取り組む人も多くいます。
ピラティスはストレッチと筋力トレーニング、呼吸法を取り入れたエクササイズです。
さまざまなスポーツや治療方法を元にして作られたエクササイズで、バリエーションも豊富です。
ちなみに「プランク」と呼ばれる運動も、ピラティスのメソッドの一つです。
プランクは両手を地面について腕立て肘を伸ばし、腕立て伏せのような状態で維持します。
ときには呼吸に合わせて手足を動かし、ストレッチを取り入れることもあります。
ピラティスを教えているスタジオでは、専門のインストラクターが一人ひとりの身体の状態に合わせて最適な動きをインストラクションしていきます。
ヨガとピラティスは共通した動きも多く、どのような違いがあるのか気になる人もいるでしょう。
ヨガは宗教の礼拝や修行が元になっているのに対し、ピラティスは負傷兵のリハビリのために開発されたという違いがあります。
ピラティスの開発に当たっては、さまざまなスポーツや治療方法の動きが取り入れられており、ヨガの動きやポーズもその一つです。
ヨガは精神性も重視するのに対し、ピラティスは身体機能の向上や維持にフォーカスした現代的なエクササイズだといえます。
ピラティスとヨガは、基本の呼吸法が異なります。
ヨガは腹式呼吸を中心として深い呼吸を行うのに対し、ピラティスの基本は胸式呼吸です。
腹式呼吸はリラックス効果が高く、精神を落ち着かせる作用がありますが、胸式呼吸は反対に身体や心の働きを前向きにする作用があります。
もちろんヨガでもピラティスでも、エクササイズの内容によって他の呼吸法を取り入れることがありますが、呼吸法が違うと覚えておきましょう。
ヨガはアーサナと呼ばれるポーズの完成に向かって身体を動かし、アーサナの完成後にはしばらくそのポーズをキープします。一方のピラティスは、ポーズの完成後も身体を捻ったり手足を動かしたりと動的な運動をともなうという違いがあります。
そのためヨガは集中力を高めメンタルを安定させたい人に向いており、ピラティスはシェイプアップや姿勢の改善を効率的に目指したい人に向いています。
ここでは、初心者も取り組みやすいピラティスのポーズを4つに絞って紹介します。
「ニュートラルポジション」は寝ながら行うピラティスの基本の姿勢です。
膝を立てた仰向けの状態のポーズでここから派生して、ピラティスの動きにつなげます。
ニュートラルポジションの取り方は以下の通りです。
仰向けの状態になり、膝を立てる。
踵をなるべくお尻に近づけ、足と足の間は拳一個分ほど離しておく。
一度腰の下に手を入れて、手のひら一枚分ほどの空間を作って自然に反らせる。
両腕を体側にそわせて手のひらは床向きに。
腹圧をかけながら軽く顎を引いて鼻先を天井に向ける。
胸に呼吸を入れて何度か繰り返し息を整えたら完成。
ニュートラルポジションのポイントは、腰の自然なアーチを保つことです。派生する動きの中でも、腰のアーチを一定に保つように意識しながら行うと効果的です。
ニュートラルポジションから派生する「ペルビックブリッジ」は、大臀筋の筋力トレーニングを行いながら身体の前面をストレッチできるポーズです。腰痛の改善やリラックス効果が期待できる定番のポーズの一つです。
鼻から息を吸って胸に呼吸を入れる。
息を吐きながらまず腰のアーチを潰し、お尻から順に恥骨を天井に持ち上げるようにして背骨を床から離していく。
肩と膝が一直線になるところまでお尻を上げたら、息を吸ってキープ。
息を吐きながらゆっくりと胸から順に背骨とお尻をおろす。
同じ動きを何度か呼吸に合わせて繰り返す。
このポーズのポイントは、お尻を硬くしすぎないことです。足裏と手のひらに均等に力をかけ、身体の前側を伸ばすようなイメージで動かします。
腰に痛みを感じた際は、ポーズを中止し専門家の指導を受けましょう。
「ペルビックプルレイズ」は、腹直筋などの表層筋と腸腰筋などの股関節周りのインナーマッスルを同時に鍛えられるピラティスのポーズです。ぽっこりおなかの解消や、すっきりとした腰回りの実現に効果的です。
鼻から息を吸い込んで胸に呼吸を入れる。
息を吐きながら手のひらで地面を押しながら足裏を地面から離し、脛を地面と平行になるまで持ち上げる。
足の付け根と膝の角度は90°を意識して一度息を吸う。このポジションを「テーブルトップポジション」という。
息を吐きながら背中を丸め、両膝を胸に近づける。
息を吸って、もう一度テーブルトップポジションに戻し、何度か繰り返す。
背中を丸めるため、腰に負担を感じるときには無理せず中止します。なるべくおなかに息を入れずに、薄いおなかを保ちながら行うことで効果が高まります。
ピラティスでダイエット効果を得るためのポイントを解説します。結論からいうと、ピラティスで効果を得るには、週3~4回ほどで3ヶ月間ほど続けてみるのが望ましいです(もちろん人によって個人差はあります)。
ピラティスでは身体に無理な負荷をかけず、ゆっくりとした動きで筋力や柔軟性を向上させます。無理なエクササイズを行うと身体の痛みにつながり継続が難しくなり、逆効果になることがあるため、緩やかに継続させることがダイエット成功のポイントです。
初めてピラティスを行う人は、最初は身体に慣れるために週に1〜2回の頻度で行い、慣れてきたら徐々に頻度を増やして週に2〜3回を目指していきます。
またピラティスは筋力トレーニングの一種でもあるため、筋肉に十分な休息を与えることで効果も向上します。1回のエクササイズ後には2〜3日の休息を取るのが目安です。
ピラティスで大切なのは、回数以上に正しいフォームで呼吸に合わせてゆっくりと身体を動かすことです。使う筋肉の場所を意識しながら、フォームが崩れないように丁寧に身体を動かしましょう。
ピラティスでダイエット効果を実感するためには長期的な継続が必要ですから、最低でも3ヵ月程度は続けてみてください。
ピラティスの効果や具体的なトレーニングの例を紹介しました。
ピラティスには姿勢の改善や筋力アップ、メンタルの安定、そして脂肪燃焼によるダイエット効果が期待できます。
ピラティスの効果を高めるためには、軽めのトレーニングを継続して行うことが大切です。
つらい、苦しいといった気持ちを手放すことで継続につながるため、1回当たりのエクササイズを軽めに行うこともピラティスを成功させるコツです。