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お役立ちコラム
そもそも猫背とは、背中が丸くなり、肩が前に突き出た姿勢のことを指します。
胸椎が大きく後弯(丸まった)した状態で、背中が猫のように丸く見えることからこの名がつけられました。
本来、人間の背骨は頚椎、胸椎、腰椎が自然なS字カーブを描いており、重力や衝撃から体への負担を和らげる役割を果たしています。
しかし猫背になるとこのS字カーブが崩れ、スタイルが悪く見えてしまうばかりか、体にさまざまな悪影響を及ぼします。
肩こりや腰痛、首の痛みなど症状は人それぞれですが、時には歩行が困難になることもあります。
デスクワークが多く、スマートフォンを日常的に使用する現代日本人のほとんどが猫背の状態にあるといわれています。
猫背の原因は、主に「筋力の低下」と「生活習慣」に分けられます。
2つの要因が複雑に絡み合って猫背を招くため、それぞれの原因を理解し改善を図ることが大切です。
運動不足や加齢によって筋力が低下すると、猫背になりやすくなります。
背骨の自然なカーブを維持するためには、腹筋や背筋などの姿勢を支える筋肉が適切に機能しなければなりません。
とくにお腹周りに存在する「コア」と呼ばれるインナーマッスルが働くことで、私たちの姿勢は維持されています。これらの筋肉が弱くなると、背骨のS字カーブが崩れ、猫背の状態になりやすくなります。
また、生活習慣も猫背の原因です。
現代人は長時間のデスクワークや日常的にスマートフォンを使用することが多く、肩が内向きになり前屈みの姿勢になっています。
この姿勢のまま過ごすと、徐々に筋肉や関節がその姿勢に慣れて猫背が固定化されてしまうのです。
改善のためには、適度な休憩やストレッチを行い骨の位置を正常に戻しつつ筋力を強化する必要があります。
猫背かどうかを確認する簡単な方法を紹介します。
壁を背にして普段の姿勢で立ち、そのまま壁に近づいてみましょう。
このとき、腰と壁の間に手のひらが入る程度の隙間があり、かかとと後頭部が壁につく状態が理想的です。
もし腰と壁の間に手が入らず、かかとや後頭部が壁につかない場合は、猫背である可能性が高いといえます。
猫背だとわかった場合は、早めの対策を心がけましょう。
猫背の状態が続くと、見た目だけでなく体の機能にもさまざまなトラブルが生じます。
この節では、猫背が引き起こす代表的な体のトラブルとそのデメリットについて解説します。
猫背になると、頭が前に出た状態となり首や肩の筋肉に過度な負担がかかります。これにより筋肉が緊張し、肩こりや首こりの原因となります。さらに頚椎の前弯が失われ、首が前に出ることでストレートネックといわれる状態になり、これがさらに肩こりや首こりを悪化させてしまいます。
猫背は腰痛の原因にもなります。
本来、背骨のカーブは体にかかる衝撃を効率よく分散する役割を果たしていますが、猫背になるとそのバランスが崩れ、腰に負担が集中してしまいます。
その結果、筋肉の一部が過度に緊張した状態が続き、慢性的な腰痛が発生することもあります。
猫背の状態では、胸が圧迫されて呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると全身に十分な酸素が行き渡らなくなり、代謝が低下し疲れやすくなってしまいます。
また酸素不足は疲労感を増大させるだけでなく、集中力の低下や眠気を引き起こすこともあります。
さらには、呼吸が浅いと自律神経のバランスが崩れ、ストレスや不安感を増す要因にもなります。
猫背を改善するためには適度なストレッチや運動の習慣をつけ、日常生活のなかで意識的に姿勢を正していきましょう。
ここでは、猫背を矯正するために行われるピラティスのポーズをいくつか紹介します。
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「キャット&カウ」は背骨と背中の筋肉の柔軟性を高めるエクササイズです。
固まった背中をほぐすことで猫背の改善を目指します。
また呼吸に合わせて行うことでリラックス効果も得られるため、日常的なストレッチや運動前のウォーミングアップに向いています。
やり方は以下のとおりです。
「リバースプランク」は、上半身の柔軟性と筋力を向上させるのに効果的なエクササイズです。
内旋した肩を正常な位置に戻し、体幹の筋肉を強化することで姿勢を改善します。
「ネックロール」は、首周りの柔軟性を高め、ストレートネックや猫背の改善に役立つストレッチです。
デスクワークの合間に、こまめにストレッチを行いましょう。
肩を後ろに引き、胸を開くストレッチを行うことで、デスクワークで固まった筋肉をほぐします。
座りながらできる簡単なストレッチを紹介します。
ストレートネックや猫背の改善に効果的なストレッチです。
筋肉のバランスを整えるためには、定期的な運動習慣を取り入れましょう。
ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で続けられる軽めの運動を取り入れると良いでしょう。
また、猫背を予防するにはコアの筋肉を鍛えることが大切です。
コアとは「骨盤底筋群」「多裂筋」「腹横筋」「横隔膜」のことで、姿勢やスタイルの良さに直接的に関わるインナーマッスルです。
ピラティスではコアの筋肉を効率よく刺激していくため、猫背改善にはとくにおすすめの運動です。
猫背を改善するためには、日ごろから良い姿勢を心がけて生活することが大切です。
ストレッチやピラティスで筋肉をほぐしたり強化したりしても、悪い姿勢の癖がついているとなかなか元の姿勢には戻りません。
普段から意識的に良い姿勢を保つことで、おのずと筋肉が鍛えられ猫背の改善につながっていきます。
猫背は適切なアプローチをとることで改善できます。
猫背は筋肉の緊張や体の使い方に起因するため、これらを改善するためのストレッチやピラティスなどのエクササイズを行うことで姿勢を整えられます。
ただし、骨の変形や長年の習慣によって完全に戻すことが難しい場合もあります。
猫背改善までの期間には個人差がありますが、一般的に数週間から数カ月は継続的に取り組む必要があります。
毎日のエクササイズや姿勢の見直しを行い、少しずつ体を正しい姿勢に慣れさせていきます。
早い方では数日から数週間で効果を実感できる場合もありますが、長年猫背が続いている場合は、時間をかけて徐々に改善していくことが求められます。
猫背を改善するためには、体幹を支える筋肉、特に腹筋、背筋、肩甲骨周りの筋肉を鍛えることが効果的です。
体幹の強化により、自然な姿勢を維持しやすくなり猫背の改善につながります。
またトレーニングと並行して、ストレッチを取り入れて筋肉の柔軟性を高めましょう。
あります。ここでは、座りながらできる猫背改善エクササイズを1つ紹介します。
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猫背を改善するには、日常的なエクササイズの習慣をつけて意識的に姿勢を維持することが大切です。
今回紹介した簡単なエクササイズを、仕事や家事の合間などの日常生活に取り入れることで、背骨の柔軟性と筋力を高め猫背の改善が期待できます。
また、ピラティスは猫背改善にとくに効果的なエクササイズです。
背中やお腹周りの筋肉を効率的に鍛えられ、本来の美しい姿勢に導いてくれます。
比較的軽めの運動ですから、猫背ですでに体に不調が現れている人も挑戦しやすいでしょう。